2025年4月4日(金)
ハイテク農芸科草花造園専攻の生徒たちは、グラングリーン大阪、梅田スカイビル中自然の森、新里山などの都市緑地で校外実習を行いました。
この実習は、都市における緑地の重要性や、自然環境との共生について学ぶことを目的に2年に1度実施しています。
今回の実習では、以下のような目的を持って活動しました:
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都市緑地の理解: 大阪ステーションビル、グラングリーン大阪の見学を通して都市部における緑地の役割や梅田スカイビル新里山の見学を通して都市部における生物多様性と持続可能な緑地空間管理について学びました。
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実践的な体験: ビル植栽、里山管理など植物の管理や手入れ、環境保全の実践を通じて、理論だけでなく実践的な知識を深めました。
午前9:00大阪ステーションビル時空の広場に集合して実習がスタートしました。
JR大阪駅ステーションビル概要
大阪駅直結の「大阪ステーションシティ」は、ショッピング、グルメ、イベントなど多様な施設が集まる複合商業施設です。以下は、広場や緑地に関する主要な情報です。
広場の特徴
カリヨン広場: 音と色で結ばれた新しい東の玄関口。
旅立ちの広場: 出発と到着を見送る「門」として機能。
時空の広場: 開放感のあるパノラマ空間で、都市全体の回遊性を高める中心的な広場。
南ゲート広場: 緑に囲まれた新しい南の入口。
和(やわ)らぎの庭: 和の美しさを感じる癒しの空間。
風光の庭: 風と光を楽しむテラス空間。
天空の農園: 自然と触れ合える農園。
サンクンガーデン: 地下の歩行者ネットワークを充実させた憩いの場。
これらの広場は、訪れる人々にリラックスできる空間を提供し、都市生活の中で自然を感じられるように設計されています。また、各広場には特有のテーマや機能があり、さまざまなイベントや活動が行われています。
JR大阪ステーションビルHPより引用(一部要約)
- JR大阪駅時空の広場に集合
- 朝ラッシュ時間ですが、時空の広場の人はまばらです
- なれない大阪駅ですが、無事に集合して実習を開始しました
- JRステーションシティの最上階をめざして移動します
- 天空の農園へ向かいます
- 結構な段数の階段を上ります
- 新しく開発されたうめきたエリア
- 天空の農園の水田を観察
- 田植え前の天空の農園
- 天空の農園見学
- ぶどう棚には農芸高校でも栽培している品種も栽培されていました
- 風の広場へ
- うめきたエリアを一望できます
- (他の利用者の迷惑にならないように)芝生エリアでどのような楽しみ方ができるのか実践
- 手前には昨年開園したグラングリーン大阪、奥には梅田スカイビル
- 和らぎの庭
- 切り石で流れを表し、水盤は盃を表し、水は毎日張り替えてこの庭に来られた人へおもてなしの心を表しています。
- 管理スタッフの方に手入れの方法について教えていただきました
- 生徒からの質問ではマツの剪定や下草類の管理についての疑問を答えていただきました
- ターミナルビルの緑化管理について詳しくご説明いただきました。
- 引率教員によるグランフロントの緑化の説明
- JR大阪駅最寄りの枯山水式庭園
- 引率教員による蹲と枯山水における水の表現についての説明
- 僧都(竹)から出た水がしたたり落ち、一粒の水滴が大海へ流れ出る景色を表現しています
- 集合写真
大阪ステーションビルを後に昨年9月に開業したグラングリーン大阪へ移動しました。
グラングリーン大阪概要
グラングリーン大阪は、大阪市北区のうめきた地区に位置する大規模な複合商業施設で、約45,000㎡の都市公園「うめきた公園」を中心に、ホテルや商業施設、イノベーション施設「JAM BASE」などが整備されています。このプロジェクトは、「みどり」と「イノベーション」の融合をテーマにしており、訪れる人々が出会いを通じて新しい価値を創造し、持続可能な社会を実現することを目指しています。
施設は、南街区と北街区に分かれ、ビジネスや観光のニーズに応える設計がなされています。公園はJR大阪駅に直結し、都市の中心でありながら豊かな緑に囲まれた空間を提供します。また、グラングリーン大阪では、環境保護や生物多様性に配慮した取り組みが行われており、地域住民や来街者が気軽に利用できる公園としての機能も重視されています。
さらに、グラングリーン大阪は、地域の企業や研究機関との連携を通じて、イノベーションを促進する場としても機能し、未来の社会に向けた新しいライフスタイルの創造を目指しています
グラングリーン大阪HPより引用(一部要約)
- グラングリーンうめきたへの途中の大阪を表したモニュメント
- がらりと変わったうめきたエリアの風景
- 回廊でつながれたうめきたエリア
- 回廊からの眺めは大都会なのに空が開けて開放的です
- 芝生広場と水の景色
- 桜が満開でお花見日和です
- 緩やかな曲線の園路
- 2027年春開業予定のうめきた公園
- 芝生エリアへ下ります
- スカイビルを望む広々とした芝生エリア
- 公園の利用者目線で意識してくつろぎます
- うめきた公園に併設のビルを臨みます
- 小休止
- 生徒も教員も浅い池の水遊びをしました
グラングリーン大阪からスカイビルへ移動して新里山へ向かいました。
新里山とは
「新梅田シティ 新・里山」は、大阪梅田の中心部に位置する約8,000平方メートルの公開空地で、日本の原風景「里山」を模した憩いの空間です。この場所では、積水ハウスの「5本の樹」計画に基づき、地域に適した在来種の植栽が行われ、生物多様性の促進を目指しています。訪れる人々は、都市の中で自然を体感でき、様々な野鳥や小さな生き物と共生する環境が整えられています。
具体的な取り組みとしては、在来種の植栽、水辺の整備、地域の教育機関との協力による体験型ボランティア活動があり、都会に住む人々に自然教育や農作業体験の機会を提供しています。新・里山は、都市の中での自然との共生を実現するための重要な拠点となっています。
積水ハウスHPより引用(一部要約)
- うめだスカイビルへ移動
- 積水ハウス所有の新里山を見学します。
- 今回は積水ハウスのスタッフの方とガーデンラボの新里山管理のガーデナーの方から空間構成や生態系を意識した植物管理を学びました
- 年間を通じて作物の栽培がされています
- 水生植物や動物の住みかとなるビオトープ
- ソメイヨシノではなく在来種のヤマザクラやエドヒガンが植えられています
- 桜が満開です
- シャガ
- 安藤忠雄氏設計の希望の壁
- 都市における生物多様性
- 栽培された作物はスカイビルのオフィスワーカーに向けて販売されています。
- 引率教員による中自然の森の説明
- 中自然の森へ入っていきます
- 布落ちの滝
- 渓谷の流れの石組
- 渓谷を臨む橋から水景の技法について学びました
- 巨石を用いた滝石組
実習の様子(動画)
実習を通じて、生徒たちは以下のような成果を得ることができました:
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植物の知識向上: ビル植栽管理における様々な植物の特性や育成方法についての理解が深まりました。
- 都市公園レクリエーション施設の体験:グラングリーン大阪の見学を通して施設利用者の観察や意識して公園施設を利用することで都市におけるレクリエーション空間について理解を深められました。
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環境意識の向上:新里山の見学を通して 都市における緑地の保全や生物多様性の重要性についての意識が高まりました。
生徒の感想
都市の中に緑があるだけで景色がこんなにも変わるんだなと思った
新里山で咲いていた、オオシマザクラがとても綺麗で見れて良かったです。
都市の中のでも探さずとも造園の技術が使われ、それは主に休息の場として使われていることが分かった。都市の自然に行くために都市に行くほどではないと思うが、ついでに行く•ついでに行けるという便利さも必要なんだと感じた。
結構自由に動けて楽しかった。風に飛ばされないようにコンクリートで枯山水ぽくしているのがすごいと思った。
“高校での座学では、理解できない現地のことを知りに行くことができてとても良かったです。
校外実習ありがとうございました。”
都市部でもカブトムシはいるんだなぁと思った
学校のみんなと一緒に梅田の色んなところを巡れてすごい楽しかった。
色々な場所を見学し、新しい学びを得られて楽しかったです。
今回の実習で梅田の新しい場所を知りいろいろな時期で行ってみたいなと思いました。
“梅田は都会やからビルいっぱいや~いつ言っても慣れへんわ~と思っていたけど、うめきた広場や新里山を見学して梅田のこんなど真ん中に現実離れした自然いっぱいの場所があるんや!と知ることが出来ました。そしてむやみやたらにバサバサ切るんじゃなくて、虫が卵を産んでいたらそっと見守っておくみたいに人間側が他の生物と関わっていく姿勢を整えることが生物多様性に繋がるのではないかと思いました。凄く落ち込んだ時とか遊びたい時とか落ち着きたい時とかどんな時でも自然が相手してくれると思ってまた行きたいです。”
梅田に行く機会はあまりないので梅田の景観を見ることができてよかった。地元の河内長野市と比べると緑は少ないけど、自然を感じられる公園やビルの屋上に庭があった。
梅田の都市緑地を見てみて、都市の中に緑をもっと増やして欲しいなと思った。どんどんアスファルトが多くなってきて殺風景だし、環境にも悪いので、原点に一回戻って緑と共生していきたいと思った。
“梅田はなかなか遊ばないので、都会の中に想像以上の緑がありすごく驚きました。
特に梅田の桜は、最初は小さくて、弱々しく、いたずらまでされているのではないかと疑っている部分も多少ありましたが、実際見てみるときれいに咲いていて、小さい子やお年寄り、若者たちも穏やかに過ごして、感心しました。
また、植物にはリッラックスさせることを実感できました。”
楽しかったです。
たくさんの場所を回って、目感じて、緑に触れている中で私たちの生活で緑は本当に安心出来る空間に欠かせないものだと感じました。芝生に寝転がった時は言葉では表せない気持ちとストレスがなくなっていく感覚がして、私はもっと草花や造園が大好きになりました。
この実習を支えてくださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。特に、梅田スカイビル新里山のスタッフの方々には、丁寧な説明と資料などのサポートをいただきました。