北山都乾園

京都の御所(都)から見て西北(乾の方角)に位置した北山の園から北山都乾園という名で文政元年(1818年)創業。

北山(竜安寺の向い)の地で各種造園建築石材資材卸業を営む。

 

北山都乾園HPより

 

長勝鋸

京都大将軍に工房を構える鋸販売及び研ぎを専門に扱う。

一般社団法人日本伝統職人技術文化研究会事務局より

 

 

 

北山都乾園見学

 

今回代表取締役の北山 利通 様より石灯籠、手水鉢、石造物の種類や歴史、背景各種造園建築石材資材卸業のプロとしての仕事について見学を通して教えていただきました。

 

 

 

長勝鋸見学

 

長津 勝一 様

 

 

参加生徒の感想

北山都乾園

・造園の仕事をするにあたって、植物の知識と同じぐらい石のことを勉強しないといけないこと(今がチャンス!!)
☆灯篭や手水鉢などの石の価値は自分次第で決まること”
ひとまとまりで手水鉢や灯籠と言っても石の材質や石の取れる場所作った人作られた形によって種類が変わり何千とあるということ。石を見るならよく見える雨でなくそのものをそのまま見れる晴れの日がいいということ。1立米2.7トンほどで水は1トンということ。
☆石の価値を客に納得してもらうために、知識をつけて深めることの大切を学んだ。北山さんの説明には説得力があった。説明を受けてその石の価値を納得させられた。
☆石灯籠や手水鉢、砂利などについて学びました石には採れる場所山や川、海などに分かれており石灯籠などといった人がてを加えているものは作られた年代と作った職人などでも価値が変わることを知りました。普段は庭園などでしか見ないですが今回は美術品を見ている感覚になりました。
☆北山都乾園で石灯籠や手水鉢、山石、川石についていろんな専門用語や特徴について教えてもらったけれど印象に残っているのが結界石についての話だった。結界石を実際に見たことがなかったけれど下乗であればどんな身分でもここから先は下りなければいけないというように意味が込められていると知り、結界石に書かれている意味だけでなく置かれている場所はどんな場所なのかや、なぜ書かれたのかなどその裏側もぜひ自分の足で見てみたいと調べて見たいと思った。また北山さんが全部細かいところまで説明できないとプロじゃないと言っていたことがとても印象に残った。自分も就いた仕事のことはすべて説明できるくらい知識をつけることが大切であり、今はそのために植木のことや石のことなど、探究心を深めて知識をつけれるように頑張りたいと思えた。

 

長勝鋸鋸ひき解説&体験

☆鋸は無理に力を入れずに、切れ味に身を任せて自分は手を動かすだけなこと!

☆教科書や本を読んでるだけじゃダメなこと。

☆ノコギリの刃にも適した形があり今現在その形が広まってないこと偏にノコギリと言っても用途によりいくつも種類があること研ぎ方が大いに切り方に関係していること
鋸に関しては全くの素人なので、市販の鋸と比較したときは感覚的な部分でしか凄さを感じられなかったが、木材を薄く切るなどの技術にはすごく驚かされた。角度や窓の原理の説明を理解するのは難しかったが、より良いものを作ろうとしている姿勢から、研究することの大切さを学んだ。

☆鋸には刃の角度があって切りやすい角度があることや切る木材によっても使う鋸が分かれていることを学びました長勝の鋸は刃の間に窓と言われるものがありそれで木屑をさらってしまうことで引っかからずに切れることを学びました。

☆枝切りの鋸を比較して使ったときに圧倒的な違いを感じられた。また、実際に鋸を使っているときに鋸の切り方を指導してくださった際、指導してくださったあとの方がとても切りやすくなったと感じた。一直線に滑らかに切ると教えてもらい無駄な力がなく切ることができた。どんな切りやすい鋸でもまず正しい鋸の使い方や切り方を知ることでもっと切りやすくなるのだなと思った。またた、長津さんの話で鋸の「歯」ではなく「刃」であったり「目立て」とは言わず「研ぐ」であったりと間違いがまだまだあるとおっしゃっていて鋸の世界では昔の考え方が今でも色濃く残っており、長津さんはその考えから脱却しようといろいろな工夫をしているのだと知った。本来道具は労力を軽減させるためのものであるけれど今の鋸は逆に疲れてしまうことが多かったが、長津さんの鋸は切れ進む力に任せて使うように労力の軽減や作業の速さなど考慮されて進化させて作られているのだと分かり、使ったときの感動は忘れられないと思った。

 

全体を通しての感想

☆造園に関わっていくにあたって、どうしても構成だったり、植物をどう使うかということに重点を起きがちだったけど、どの石を使うのが適してるかとか素材のことまで分かっていることが大事なんだなと思った。ノコギリはひたすら切れるまで力を入れて頑張ってたけど、そうじゃなくて自分は手を動かすだけでいいんだと思ったし、それでほんとにちゃんと切れていくから凄いなと思った。

☆石というのはすべて同じではなく特徴がそれぞれあるものだと産地や歴史等により苔がついたり色が赤だったりするものであるということ。
ノコギリはただ引くだけじゃなく平行にゆっくり刃渡りをすべて使っているということ

☆感想になりますが長勝さんの話の中で鋸は刃ではなく歯というのは間違いだと聞いた時自分が勉強不足なのもあり刃の方のはだと思っていたのですがこのことを聞いた時長勝さんの言う通り間違いだというか若者には同じ刃物だと噛むような歯ではなく物切る刃だと浸透させるほうが正しいと感じました頑張ってください。”
専門的な分野を仕事にしている人の知識や技術、プロ意識は計り知れないものだと知った。

☆造園などで使う石灯籠などの石材はただの景観造りをするものだと思っていたのですが美術品のように価値がつくことを知りました、鋸は最初見たとき正直この形で切れるのか怪しく思っていましたがあの窓があることで切れやすくなっていることを知りました。

☆参加前では京都の町並みを見て風情があるなや庭があるなくらいとしか思っていなかったけれど北山さんの話を聞いて灯籠を見つけたときこれは雪見型の灯籠や!だったりこれは何の石で作られているんやろうだったりと意識して見れるようになり北山都乾園さんで見たように街なかにもたくさんの種類の石や灯籠があるのだと気づけた。

☆参加前まではあまり鋸や道具のことについて深く考えたことはなかったけれど参加後は鋸はこんなにも形や特徴が違うだけで切りやすさが違うんだと実際に体験して感じられた。道具一つ一つに種類によって切りやすい形が違うことを知り、鋸だけでない道具がいかに重要なのかが分かり、深く考えられるようになった。”

 

 

 

長津 勝一 様が講義の最後に口にされた言葉が印象に残っています。

 

「現実に学ばずして直実は見えてこない。死ぬまで無限の技術に挑む」

 

農業高校に通う生徒、教職員も日々農場の生き物に向き合い、変化を見取り、課題を見つけて解決し、考え続けての繰り返しの日々です。

 

そのような日常で起きる現実を見つめ、向き合い、考え続け、試行錯誤することで自分なりの考え方を持ち、真実に近づいていく。

 

京都で石灯籠や手水鉢、造園石材を追求し日本庭園文化のいぶきを多くの人に伝え、継承している北山都乾園と人生をかけて鋸を極めものづくりに向き合い続け世界一の切れ味の鋸をつくり続ける長勝鋸の見学を通して生徒たちも多くの刺激を受けました。

 

今後も、プロフェッショナルから学び、見方・考え方を広める機会を創出していきます。

 

結びに年度末のお忙しい中、北山都乾園様、長勝鋸様におかれましては今回の見学にあたり貴重な時間をいただいたこと感謝申し上げます。