ブドウの種なし処理とは、専門的には通称ブドウのジベレリン処理といい、無核化および肥大化処理の一連の流れのことを指して呼ばれています。
満開予定日の14日前~開花開始までにストレプトマイシンやアグレプトなどの殺菌剤を200ppmで花穂に浸漬あるいは散布します。これにより種なしの確率が高くなります。
この事前処理が終わると、種なし処理(ジベレリン処理)を2回実施します。
ジベレリン処理の1回目の目的は無核化です。
シャインマスカットなどの2倍体欧州系品種の場合は、満開~3日の間にジベレリン25ppmとフルメット5ppmを加えてジベレリン溶液を作り、花穂を溶液に浸します。食紅を加えて、ブドウにジベレリン液を漬けたどうかの判別をしやすくするために赤くしています。
下図はブドウの花の写真です。キャップが取れると半透明の白い柱頭と黄色の雄しべが見えてきます。すべてのキャップが取れて花が開ききったら満開です。
満開から3日目くらいになると、柱頭が丸くなり、約が黒くなりはじめているので、花が咲ききったかどうかの判断がつきやすいと思います。
次に、ジベレリン処理2回目は肥大化処理を目的として実施します。種がなくなっているので、種からホルモンが出ないため、大きくなりません。
ジベレリン処理をした場合は、必ず2回目の処理が必須です。満開10~15日後、ジベレリン25ppmで処理します。
いつ実施したのかわかりやすくするためにカサジゾウ(商品名)を穂軸につけて傘をかけて目印をつけておきます。
これが終わると、種が日々大きくなっていきますので、摘粒により1粒1粒を間引いて40粒程度に数を減らしていきます。
今年のシャインマスカットも順調に大きくなってくれています。