平成19年 ハイテク農芸科卒業 中村 洋平さん
【職業】
農家
【農芸高校に進学した理由】
実家が農家で、父や祖父母に連れられて畑仕事を手伝ううちに、中学生のころには「将来は農業をしたい」という思いが芽生えていました。そのために、高校で農業を学びたいと思ったからです。
【農芸高校に入学してよかったこと】
- 農業の様々な分野を経験でき、視野を広げることができたこと
- 親友と呼べる友人や恩師と呼べる先生に出会えたこと
【高校時代に取り組んでいたこと】
高校時代は、部活動と農業クラブ活動に励んでいました。部活動は同級生に誘われる形でラグビー部に入部し、心、身体ともに鍛えられました。当時の顧問の先生からは「文武両道」の教えをいただき、テストの成績次第で練習メニューがグレードアップしたことは、今では良い思い出です。
農業クラブの活動では野菜部に所属し、特にトマトの栽培に力をいれて取り組みました。農芸高校での授業や実習を通して、これまで何気なく手伝っていた家の仕事と学校での学びがリンクしていくことがとても楽しく、充実した毎日を過ごしていました。大学に入って気づいたことですが、課題研究の授業での取り組みは、大学の研究活動によく似ており、高校生のうちから他ではできない経験をさせてもらっていました。農芸高校では、生徒の興味関心に合わせて、担当の先生が指導してくれます。農業クラブの発表大会では、熱心にご指導いただいたおかげで全国大会に出場する経験を得ることができました。
農芸高校での3年間で、多くの先生方にお世話になりました。その中で私に「教師になって学校に帰っておいで」と話してくれた先生がいらっしゃいました。先生にとっては、何気ない一言だったのかもしれません。ですが、私を成長させてくれた学校や先生方に少しでも恩返しがしたいという気持ちから、この一言は、私が農業の教員をめざすきっかけとなりました。
【卒業後の経歴】
高校での取り組みを評価され、推薦で岡山大学に入学しました。大学では栽培学や経営学などの農学を勉強しながら、教員免許の取得に励みました。研究室では、高校時代からずっと興味のあったトマトの研究に取り組み、科学的な視点で栽培する経験を積みました。
大学卒業後は、大阪府に農業科の教員として採用され、4年間支援学校に勤めたのち、母校である農芸高校に着任しました。配属された資源動物科では、カモやニワトリの学ぶ総合環境専攻の顧問として、8年間教壇に立ちました。総合実習の授業では、生徒と一緒に畜舎で汗を流し、企業との連携実習では、育てたニワトリやカモをお肉として加工する経験もしました。卒業したハイテク農芸科ではなく、資源動物科に勤務したことで、畜産の分野を知ることができ、「農業」をより広く知ることができたと思っています。教師として生徒を指導する立場である一方で、高校時代に続き、私自身も農芸高校に成長させてもらいました。
【現在】
現在は、家業である農業を継ぎ、コマツナやミズナなどの葉物野菜を中心に年間で10種類以上の野菜を栽培しています。これまで研究してきたトマトの栽培は、売り上げを意識する一方で、私の楽しみのひとつです。
教師時代に生徒や同僚の教員、連携先の企業の方々、たくさんの「人」と繋がることで、今の私の農業観は形成されました。これからも人との出会いを大切にしたいという思いを込めて、「中村農縁」という屋号をつけました。まだまだ経験も浅く、未熟な経営者ではありますが、農芸高校で得た経験を無駄にしないように、これからも農業に向き合っていこうと思います。
畑の見学や農作業体験はいつでも受け付けています。ぜひ中村農縁へお越しください。
【農園情報】
中村農縁
住所:大阪府堺市中区東山54
電話番号:090-5152-8303
sakai_nakamurafarmまたは中村農縁
https://www.instagram.com/sakai_nakamurafarm/
URLまたは、ID検索よりお願いします。