平成28年 卒業 谷口 洸樹さん

はじめまして、2016年にハイテク農芸科を卒業しました、谷口洸樹です。

卒業生として、記事を載せてもらえると聞き、嬉しく思います。

 

①今の仕事

②どうして農芸高校に行こうと思ったか

③高校生活で頑張ったこと

④卒業後どのような進路を選んだか

 

をお伝えできればと思います。

 

農芸高校に進学したいと思っている中学生や保護者様の参考になれば幸いです。

先生方や在校生・卒業生、関係者の皆さんも楽しく読んでいただければと思います。

 

①今の仕事

現在、株式会社クボタに勤めており、農業機械の制御に関する研究開発をしています。

主に田植え機の開発を担当しています。

田植え機にどんな装置を付けて、どんな風に動かせば、より良い機械として役に立つかということを考え、プログラムを作り、動作試験をしていく仕事です。

日々勉強しなければならず大変ですが、お米や野菜を生産するのに欠かせない機械を開発しているので、多くの人の役に立つやりがいのある仕事だと感じています。

昔のクボタの田植え機は青でしたが、最近は全てオレンジの田植え機です。

どこかでオレンジの田植え機を見かけたら、谷口が関わったやつかなぁと思っていただければ嬉しいです。

 

②どうして農芸高校に行こうと思ったか

小さい頃からなんとなく農業に関わりたいと思っていました。祖父が農家なのでその影響もあったかもしれません。

農芸高校への進学を決めたのは中学2年生くらいだと思います。

「世界の人口増加で食料が大変、これからは農業!」といった話を耳にして、単純な私は進路を決めました。

ありがたいことに今もその考えのまま、食料生産に関わる仕事をさせて頂いています。

 

③高校生活で頑張ったこと

プロジェクト活動と資格取得を頑張っていました。

 

農業高校ではプロジェクト活動と呼ばれる研究活動を行います。

私は、ネリカというお米の研究をしました。

プロジェクト活動の始まりは、高校一年生の冬に、ワンワールドフェスティバルというイベントに訪れたことがきっかけです。そこでブルキナファソ友好協会の方からネリカについて教えてもらい、高校でも育ててみようという話から、プロジェクト活動が始まりました。

とにかく何でも思い付きでやりたがる私達で、ハウス・田んぼ・畑で、ほとんど手作業で育て、脱穀があまりに大変だからと足踏み式の脱穀機を引っぱり出して使わせて頂いたり、収穫したネリカを調理室で料理して食味評価をしたり、近所のパン屋さんでネリカを入れたパンを販売してもらったりと、いろんな体験をしました。

思いついたことが出来る環境があり、付き合ってくれる先生達がいました。とても恵まれた環境だったと思います。

 

資格取得について、全国の農業高校で共通の資格であるFFJ検定の特級位をとりました。初級・中級・上級・特級と取る中で、鍬で畝を立てる試験、接ぎ木をする試験、植物や農機具の実物をみて名前を答える試験、研究活動の論文等、多くの活動をしました。

他にも農業技術検定2級、英検2級、小型車両系建設機械や天井クレーンの免許、初級バイオ技術者認定試験等、たくさん挑戦しました。

大変なことも多くありましたが、授業の延長線として実物で体験しながら学ぶことが出来て、放課後に先生方や友達とわいわい勉強・活動したので、充実した楽しい思い出です。

 

高校生活全体を通して、やればやるだけ楽しく、意識せずとも貴重な経験が出来る高校生活だったと思います。もちろん高校生という年齢特有の難しさもあり、上手くできない部分もたくさんありました。

中学生・在校生の皆さんも大変なことがたくさんあると思いますが、周りの人達が必ず助けてくれるので、何でも行動しまくってみてください。

 

④卒業後どのような進路を選んだか

私は推薦入試で筑波大学に進学しました。

そこで4年間勉強し、さらに2年間筑波大学大学院で勉強・研究をしました。

なので、社会人になったのは2022年で、今は2年目です。

 

大学では、農業機械の自律走行や、梨の果実の自動認識の開発など、「スマート農業」と呼ばれる分野で研究活動をしました。留学生に囲まれて英語で研究したり、企業と共同研究したり、海外で研究発表したりと面白い経験がたくさんできました。

 

そして、卒業後はクボタに就職し、現在に至ります。

 

〇最後に

中学生、高校生でこの記事を読んでいる方の中には、「農芸高校は他の高校とは違う進路」「他の友達とは違う進路」だと感じて、その先の進路を不安に思っているかもしれません。

しかし、高校で専門の学校を選んだからといって、「国立大学に行き、大手企業の会社員になる」といった普通科っぽい(?)進路も選択肢から無くなることはないよということが私の例から伝われば嬉しく思います。

 

以上です。

またふらっと遊びに行かせてください👐