初芝駅近くの出雲大社大阪分祠にて開催された「なにわの坪庭展」に、ハイテク農芸科の1年生が見学実習に訪れました。
4月26日(日)、1年生にとって入学後初となる課外実習として、会場に展示された20種類もの個性豊かな坪庭を視察しました。
■ 視覚だけでなく「体験」として捉える庭
会場に並ぶ作品には、ただ眺めるだけでなく、実際に段を上って中を覗き込んでみたり、設置されたベンチに座ってあたりを見回したりと、空間を五感で体験できる工夫が多く施されていました。生徒たちはそれぞれの庭の意匠を肌で感じながら、和気あいとした雰囲気の中で造園への理解を深めていきました。
■ 先輩から後輩へ繋ぐ「農芸の学び」
また、会場内には本校ハイテク農芸科 草花造園専攻のブースも設けられ、1年生は先輩たちの前に集まり、制作した坪庭についての解説を受けました。一足先に専門的な技術を学ぶ先輩から、作庭の意図や苦労した点などを直接聴くことで、これからの実習に対する大きなモチベーションとなったようです。
■ 庭師の姿から「造園業」を身近に
事前課題の記述では、まだ庭仕事に対して漠然としたイメージしか持っていなかった1年生たち。しかし、プロの庭師の方々が一つひとつの作品に込めた深い想いやこだわり、解説に直接触れることで、造園業という仕事の具体像や奥深さを明快に掴むことができました。
本校での日々の実習に加え、こうした第一線で活躍する専門家や先輩との交流を通して、生徒たちが庭仕事の魅力を身近に感じ、今後の専門的な喜びに繋げていくことを期待しています。
生徒の振り返りより
【技術と表現に関する学び】
① 自然の原理を再現する石組みの技術について
「水の流れを表現するために、奥の方には大きく角張った石を置き、前に来るにつれてだんだんと小さな丸い石を配置していました。川の上流から下流へ、水によって石の表面が削られていく自然の原理が石のグラデーションだけで細かく表現されており、大変勉強になりました。」
② 廃材や身近な素材の再利用が生む深みについて
「割れた壺や家の廃材、本来なら捨てられてしまうようなものを庭の一部として再利用している作品が多くありました。新しいものにはない経年変化の深みや魅力が出ており、細かい部分で変化を出す工夫こそが庭師の素晴らしさだと実感しました。」
③ 視覚だけに頼らない空間設計について
「石や苔、シダ植物を使って湿気のある森の雰囲気を再現した作品では、流木の穴や壺など計3箇所から水が出る仕組みをポンプで循環させて作られていました。表からは見えない裏側まで計算し、音と動きのある空間を演出するプロの技術に感動しました。」
【プロの庭師からの教え・感銘を受けた言葉】
④ 時間とともに完成していく庭の魅力について
「ある庭師さんが『庭は時間とともに変化していく。みんなでつくるお庭、みんなで感じるお庭が自分たちのテーマ』とお話しされていました。来場した子どもが置いた松ぼっくりやどんぐりをあえてどかさず、そのまま景観の変化として受け入れる姿勢に、庭づくりの懐の深さを学びました。」
⑤ 100点ではなく、あえて80点で魅せる工夫について
「出展されていた庭師さんの『ここに展示を見に来た人たちと一緒に作り上げていく。最初から100点満点のものを持ってくるのではなく、あえて80点の状態で持ってきて残りの20点をお客様の反応や要素で埋めていく』という考え方に触れ、非常に素晴らしい視点だと刺激を受けました。」
⑥ 限られた環境でも緑を取り入れる提案について
「『庭がなくても、緑を入れればそこが庭になる』という言葉が印象に残りました。マンションなどで庭がない環境であっても、飾り方やドライフラワーの取り入れ方を工夫することで、いくらでも身近に緑の空間を作ることができるのだと視野が広がりました。」
【実習を終えて得られた視点の変化】
⑦ 景色を「つくる側」の視点への変化について
「今までは街の景色をただ全体として漠然と見ていましたが、実習を終えてからは、道に配置されている石や樹木がそれぞれ意味を持って置かれているように見え、一つの作品として美しさを意識するようになりました。」
⑧ 身近な環境や手入れへの感謝について
「普段、何気なく見ていた近所の庭木や、農芸高校の中に植えられている植物が、どれも人の手によって細かく剪定され、美しく整備されているのだということに気づきました。維持管理をしてくださっている方々への感謝の気持ちが芽生えました。」


















































































